私の地元は、花火のまち。卒業式や入学式はもちろん、年越しにも花火が上がります。さらには防災訓練の合図も花火!子どもの頃から身近に存在し、生活の中に当たり前のように溶け込んでいるんですね。
そんな地元にとっても、1年に1度の夏のお祭りは特別なもの。このお祭りはちょっと変わっていて、同じ中学校を卒業した同級生たちが協力して、人生の節目節目に花火を打ち上げるという習わしが続いています。
地元から離れて暮らす人も、この時期だけは、必ず地元へ帰ってくる。青春時代をともに過ごした仲間が集い、花火に想いを託して、一緒に故郷の空を見上げるんです。
私は、久しぶりに再会した仲間と花火を満喫。その余韻がまだ残る帰り道、みんなでコンビニでアイスコーヒーを買って、乾いた喉を潤しました。店先で立ち話をしていると、同じ仲間と同じようなことをした学生時代の記憶がふとよみがえってきました。
夏休み中の部活の帰り、コンビニの前でドリンクを飲みながら、たわいもない話で盛り上がったっけ。当時のコンビニには今みたいな氷入りのアイスコーヒーはなかったから、紙パックの甘いカフェオレだったなぁ。飲み終わっても何となく別れ難くて、誰も「じゃあね」を言い出さなかった。空になった紙パックを持ったまま、結局、日が傾くまでおしゃべりして・・・。
そんな懐かしい記憶を辿るうちに、手の中のアイスコーヒーの氷が溶けて、だんだんと琥珀色のグラデーションへと変わっていきました。それが祭りの終わりを告げているようで、胸がキュッとなりました。
また同じ仲間で集まろう。私たちの青春に寄り添い、見守ってきてくれた花火の下で。そしてアイスコーヒー片手に、「あの頃のこと憶えてる?」「こんなことあったよね」と思い出話に花を咲かせたいな。
本エピソードは、AGF®パートナー さわこ さんの体験を基に執筆しました。
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